参加する読書会で、アンジェラ・ダックワース著の「やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める『究極の能力』を身につける」を読みました。
才能のある人が成功するのではなく、努力し続ける人が成功する。このことを否定する人は少ないでしょう。しかし、これを理論的に説明するのは難しい。人生のあらゆる成功を決める究極の能力とは、「やり抜く力 GRIT」であることを、この本は理論として説明しています。
2つの努力
①才能✕努力=スキル ②スキル✕努力=達成
著書には、2つの方程式が示されています。どんな仕事も最初は失敗続きで、できないことばかりです。しかし、①を重ねてスキルが付けば習熟し仕事で役に立ちます。さらに、成功して一流になれるかどうかは②を重ね、他者に際立つ価値を産み出す必要があります。スキルの前後に2つの努力があるというのです。
スキルが付くまでを第一段階(①)、それ以降を第ニ段階(②)とします。第一段階の努力は「忍耐」に近いもの。そして、第ニ段階の努力は「好きなこと」や「楽しいこと」に近いものだと考えます。
天職とは
論語に「これを知るものは、これを好むものに如かず。これを好むものは、これを楽しむものに如かず。」(如かず:及ばない)という言葉があります。日本のことわざ「好きこそものの上手なれ」に通じるものです。「好む」より「楽しむ」は、より安定感があり、人生の中で長く定着している様のように思えます。ちなみに天職とは、心から充実感が得られ、生涯続けたいと思える仕事のことだそう。
人生をかける価値
どんな仕事も、最初は上手くいきません。第一段階の途中でやめてしまっては、面白さも達成感も得られません。仕事を始めたらからには、先ずはスキルを付けるところまでは、コンプリートしないともったいないです。
第ニ段階では、その仕事が世の中の役に立っているのかどうかという視点が、より大きく影響します。その実感が得られるならば、その仕事が人生をかける価値のあるものと確信できます。長く努力することが、すなわち楽しいことになり得るのだと思います。そこまでいけば、天職と云えるのかもしれません。