先日、マシュー・サイド著の「多様性の科学」を読みました。
価値のあるアイデアとは、それに関連する知識が何かのきっかけで化学反応を起こし、ピンと閃くもの。同じ環境、経験をもつ人々は、個々に能力があっても、知識ストックの内容は画一的になりがちである。多様な人々は、それぞれに異なる知識ストックをもつがゆえに、もしそれに触れ合えるならば、相互の化学反応を誘発し、新たな価値あるアイデアを生む可能性を格段に高められる。
このような内容が書かれていました。
トンボ飲料 行動十針「異なる意見について」
当社では、トンボ飲料 行動十針を掲げています。
その一つ「異なる意見について」という項目で、以下のように共有しています。
・異なる意見を尊重する。
・異なる意見について思考し、出来ればこれを活用する。
異なる意見の尊重は、個対個においてだけではなく、個対組織においてもしかりです。
その意味で、このところ頻出するダイバーシティー&インクルージョンは当社の行動十針「異なる意見」と同様のことを意味すると考えています。ダイバーシティーは「多様性」、インクルージョンは「受容性」と訳せます。多様性のある意見により優れたアイデアを創出し、これを組織が受容し全体として一体感をもって調和させます。
組織に不可欠な「寛容的尊敬型リーダー」
ダイバーシティーとインクルージョンは組織においてセットで機能します。
多様な意見は尊重され、価値あるアイデアを産み出し、リーダーはこれを網羅し全体として活用します。個の力を組織全体に活用するリーダーがいなければ、せっかくの多様性も好き勝手のままでは、活かされないのです。
さて、リーダーには攻撃的支配型リーダーと、寛容的尊敬型リーダーがあるようです。
調和すなわちインクルージョンを実現するためには、リーダーと部下の信頼関係と、組織内での心理的安定性が不可欠です。攻撃的支配型のリーダーのもとでは、多様性のある意見や、それをもとにした、光り輝く原石のようなアイデアは決して生まれないでしょう。