近代オリンピック第1回アテネ大会が開催された年、富山でラムネブランドが誕生
翠田辰次郎が、富山市総曲輪で「翠生舎(すいせいしゃ/トンボ飲料の前身)」を創業。ラムネ製造販売を開始。
トンボラムネ(リターナブル瓶200ml)
創業者・翠田辰次郎による命名。真夏の太陽のもと、涼しげに水面を飛び交う清涼感あるトンボこそ、ラムネの名に相応しいと考え、「トンボラムネ」と命名。
“トンボ”その名の由来
翠田辰次郎が、富山市総曲輪で「翠生舎(すいせいしゃ/トンボ飲料の前身)」を創業。ラムネ製造販売を開始。
創業者・翠田辰次郎による命名。真夏の太陽のもと、涼しげに水面を飛び交う清涼感あるトンボこそ、ラムネの名に相応しいと考え、「トンボラムネ」と命名。
“トンボ”その名の由来
富山市桜町に機械化した新工場・本社を建設し移転。
従来の瓶より胴部分を長く取り、洗浄効率をアップさせた。
当時のラムネ瓶は、飲用後に回収し再利用するリターナブル瓶。しかし回収後の洗浄の際、ビー玉をとどめておくくびれ部分がネックとなり、洗いにくいことが問題となっていました。そこで初代社長・辰次郎は新たな瓶を考案。窪みを底部分に移動させることで、洗浄効率を劇的にアップさせることに成功します。この瓶は衛生面が改善されると評判になり、瞬く間に全国のラムネメーカーに広まっていきました。
また、底玉瓶はビー玉が底まで落ちるため、泡が吹きやすいという欠点がありましたが、辰次郎は木目の荒い杉材製「玉押し」を考案、木目を透かして炭酸を逃がすことでこれを解決しました。
ラムネと並ぶ主力商品として、以後順調に売上を伸ばしていく。
戦時下の影響で砂糖が供給制となり、生産に打撃。
諸原料の入手が困難となり、事実上の営業停止状態になる。
富山大空襲により工場が焼失する。
焼け野原になった富山市において、直ちに工場を再建。
当時主流だった、オート三輪での配達風景(運転は3代目社長・康志)。
ラムネに代わる主力商品として着手。昭和40年代まで製造販売を行う。
富山市下赤江町(現所在地)に資本金6千万円で創立。新工場を建設し移転。翠田炭酸飲料の清涼飲料部門を継承し経営を開始する。
当時は“お酒ではないシャンパン”ということで「ソフトシャンパン」と呼ばれていた。歓楽街の土産物だったものを、一般家庭向け市場へ展開していく。
当時の名称はソフトシャンパン。写真は販売当時の瓶。本家のシャンパンと同様にコルク栓に針金の栓止めが付いていた。
シャンメリーの誕生は1947年の戦後間もないころ。進駐軍が飲んでいたシャンパンをヒントに東京の飲料業者が開発したのが始まりです。当初は「ソフトシャンパン」と呼ばれ、夜の歓楽街を中心に飲まれていた大人向けのソフトドリンクでした。そんな中、沸き立つ炭酸の華やかなイメージに目を付けた当時の社長の翠田康志は、家庭のハレの日の乾杯飲料としての利用を思いつきます。
クリスマスや誕生日の食卓を華やかなものにし、子供たちを笑顔にしたい…こんな熱い思いで「主婦の店・ダイエー」の中内功社長(当時)の評価を獲得。ダイエー全店に採用となります。このことが現在に続くシャンメリー業界ならびにマーケットが確立する基盤となったのです。
当時ホームサイダーを販売し、家庭への直販を進めた。
銭湯、劇場、食堂、駄菓子屋などで大好評。
画期的なメロンクリームソーダで大ヒットした。
米国ローヤルクラウンコーラとフランチャイズ契約(北陸エリア)を締結。あわせて炭酸飲料製造ラインを更新し、ルートトラックの総入替などを行う。
中学校、高校周辺の「よろずやさん」のマーケットで大ヒットした。飲み応えのあるキングサイズで、王冠の裏に当たりが付いていた。コーラの他に、オレンジ、グレープ、メロン、チェリーなどを展開。
コーラの世界第3位のシェアを誇るローヤルクラウンコーラ(通称「RCコーラ」)の特徴は、甘み・後味の深さ、炭酸の爽快さ、そして何より340mlという飲み応えのある大容量サイズ。これを武器にランチェスター戦術に基づき、学校周辺マーケットへと展開。中学校、高校周辺のいわゆる「よろずやさん」で学生を中心に大ヒットしました(コーラ以外にも、オレンジ、グレープ、チェリーのラインナップを展開)。当時の富山の若者が愛する飲み物の象徴となっていました。
コップ型ビン容器に入ったみかんのつぶ入り飲料。
1960~80年代はRCコーラの他にも、さまざまな瓶入り飲料を販売していました。クリームソーダ「ドミルカ」、婚礼会場用「ラブリー」、RCと並ぶキングサイズ炭酸飲料「Tom's(トムズ)シリーズ」など。瓶飲料の全盛時代、トンボブランドは県内商店や映画館、銭湯を中心に人気を博しました。
その後、こうした商品は個人商店の撤退、缶容器の普及などにより、徐々に姿を消していきます。ガラス瓶飲料は時代の流れとともに減少の一途をたどり、清涼飲料業界も新たな局面を迎えていくのでした。
協和発酵工業株式会社(現・協和キリン株式会社)との間で、健康飲料加工契約を締結。
将来の健康飲料分野への参入を見越して、当時としてはまだ珍しかった品質管理室を設けていたことが認められ、大手メーカーと初の受託加工契約を結ぶことに。そのコラーゲン入りダイエット飲料が大ヒットしたことを受け、本格的な受託生産事業を開始しました。
この後、多品種・小ロット生産が可能な設備・生産体制、製品の企画段階から提案できる開発力といった、ハード面とソフト面の充実により、他社には出来ない受託生産を推進していくことになります。
焼酎割用ミキサードリンクとしてレモンサワーやライムサワーなどを販売。
※後に多品種化。PETボトル1Lと500mlへリニューアル。(現在は終売)
新本社屋と第2工場が完成。
ワンウェイ瓶ラムネの量産設備が完成
イチョウ葉エキスを含む健康飲料。(現在は終売)
ミニドリンクラインの設備改善。健康・美容飲料に参入。
現在の開発部。受託生産において、企画レベルからの開発力を強化。
新時代の容器に着目し、口栓付きパウチ飲料(清涼飲料・ゼリー飲料)に参入。
口栓付きパウチは、ストロー(口栓/スパウト)付きのアルミフィルム材質の容器。
軽量で割れず、携帯やアウトドアに最適。飲み終わった後の空容器が小さくなる(体積95%減が可能)という特徴があり、清涼飲料の容器として利便性があります。
高齢者や介助が必要な方向けの「水分補給・栄養補給用食品」の開発・販売を開始。
水分・栄養補給ゼリー飲料として、エネルギー、ビタミン、水分、鉄分補給などを展開。(ビタミンプラス亜鉛補給・鉄分補給は現在終売)
口栓付きパウチラインの新設には、当時取り組み始めた「ゼリー飲料」の充填という目的がありました。こぼれにくく、手を汚さないという容器特性はゼリーに最適。また、少しの力で絞るだけで、誰でも吸って飲めるという点は、介護食や流動食に生かすこともできます。こうして、研究を重ねたゼリー化技術は、飲み込むことが困難な方向けの栄養補給ゼリー「やさしく・おいしくシリーズ」(ブランド推進:バランス株式会社)の誕生につながりました。
また、パウチゼリー飲料は、受託生産のラインナップにも加わり、他社にはない大きな強みとなっていきました。
アウトドアに最適なパウチドリンクを発売。スポーツやレモン、オレンジ、グレープ、アップル、グレープフルーツ、ウーロン茶の7種類を展開。(2010年にリニューアル)(現在は終売)
※登録組織/対象範囲:トンボ飲料グループ
瓶に比べ、軽量で割れにくいという特徴の他、内容物の保存性(遮光性、ガスバリヤー性)に優れているという利点があります。
また、全面印刷(キャップ・ボトル)で鮮やかな外観を表現でき、機能性飲料などさまざまな飲料に利用されています。
口栓付きパウチ飲料増産のため、高速ラインを新設。
全国シャンメリー協同組合にて児童養護施設へのシャンメリー贈呈事業を開始。
業務改善活動の一環として導入。
5S(ごえす)とは、職場環境の維持改善スローガンのことで、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの総称。トンボ飲料では、部門ごとにリーダーを配置し、各項目の徹底、改善活動を行っています。これにより、業務の効率化、不適合の未然防止、職場の安全性向上など、さまざまな面で効果を発揮。さらに全社員が携わることで、各自の意識向上にもつながっています。
調合設備を刷新。新建屋にて稼動開始。
各仕込室は充填ラインごとに個室化し、異種原料の混入を防止するとともに、クリーンルーム仕様(クラス10万)で徹底管理しています。また、設備も「ロードセル付き調合タンク」や「CIP装置」を完備。タッチパネル方式で作業の効率化が図られています。
清涼飲料に加え、果汁飲料、ゼリー飲料など、多様化する飲料製造に対応する最新鋭の設備です。
新倉庫(1号倉庫)完成。
ガラス瓶とボトル缶ラインの全面刷新に加え、新たに3方フィルム包装ラインを追加。
10~20gの小容量のゼリーの充填が可能。開けやすく食べやすい、携帯しやすいのが特徴で、美容・健康ゼリーの製品提案の場を広げています。
最新鋭の設備を導入し、従来の生産ラインに比べ生産効率は約1.5倍に。ガラス瓶は最小の20mlから対応し、幅広い容量の充填を行っています。
また、3方フィルム包装によるスティックゼリー製造ラインと、2次仕上げを行う包装室も設置。さらなる多品種・小ロットへの対応を可能としました。
昭和初期に販売していた当時の商品を現代版の味わいで復刻。(現在は終売)
新工場を稼動するにあたり、より高い衛生管理体制を構築する目的でISO22000の導入を決定。2011年7月に認証を正式に取得。
富山県のご当地ラーメン「富山ブラック」の“やみつき感”をイメージ。醤油・胡椒風味。
2号棟は第1工場の付属建屋として「ロボットパレタイザー」「調合原料倉庫」を追加。2階には研修室・展示コーナーを併設。一連の設備の完成を通じ、「人」と「物」の導線の統一も完了した。
アルコール0.00%。本格的な味わいのノンアルコールスパークリングワインテイスト飲料。
ノンアルコール飲料の需要の高まりと、スパークリングワインの持つ贅沢感や華やかさをそのままに、ノンアルコールを提供したいという飲食店関係者の声に応えた商品。
自社工場の水処理設備をイオン交換式装置からRO膜(逆浸透膜)式に更新し、運用を開始した。RO膜式水処理装置では、イオン以外の水に不要な微粒子や有機物も除去することが可能となったため、原水中の細菌も除去することができるメリットがある。
海外への自社製品の販売ならびに受託生産の展開を目的に、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定した世界レベルの食品安全マネジメントのベンチマーク認証規格FSSC220000の認証を取得。
※登録組織/対象範囲:株式会社トンボ飲料
受託生産の営業活動強化のための拠点として、中央区京橋に開設。
石川県のご当地グルメ「金沢カレー」をイメージ。カレー・ソース風味。(現在は終売)
2018年4月に口栓付きパウチ飲料(ゼリー)増産の為の新工場が完成。あわせて、調合設備の改修を行い、より高度な品質に対応できる体制に整えた。
JADAのサプリメント分析認証プログラムにおける生産設備の要件に使用されており、日本国内ではスポーツサプリメントの製造管理基準の一つとして取り扱われる。
※登録組織/対象範囲:株式会社トンボ飲料/パウチ容器におけるスポーツサプリメント(ゼリー及び飲料)の製造
コロナ禍により対外活動を自粛し、飲料市場も縮小する。
リモートワークやWEB会議、ウェビナーなどの活用が進む。
トンボ飲料とバランスの各営業部門が統合し、相乗効果を狙う。受託生産部門では問題解決型を目指し、ソフトシーズの強化を志向する。
5代目社長・翠田章男が理事長を務める全国シャンメリー協同組合は、1972年の創立から50周年を迎え、記念式典が開催される。2005年から開始した児童養護施設へのシャンメリー贈呈事業は18年目となる。
この年より、創業記念日を「5月10日」に決める。
1896年5月に「翠生舎」が創業しましたが、具体的な日付までは記録が残っていませんでした。そこで、文字のシルエットや響きがトンボに似ている「10(十)日」に決定。
「十」という文字の形は、「プラス」をイメージさせる文字でもあります。