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2025.02.26

備忘録 VOL.24「楽しい日本とは」

作家の堺屋太一氏は著書「三度目の日本 幕末、敗戦、平成を越えて」で、三度目の日本は楽しい日本であるとしています。そして石破茂総理は「楽しい日本」を標榜し、国民の多くは比較的冷ややかな反応です。

備忘録 VOL.24「楽しい日本とは」

強さと豊かさ

三度目の日本とは何でしょうか?
一度目は、明治維新後の富国強兵日本で強さを求めました。二度目は、戦後の奇跡的な成長期の日本で経済的豊かさを求めました。一度目と二度目の日本は、下記の同質と主体の四象限の左上で、強さと豊かさを手に入れました。

同質と主体の四象限
同質と主体の四象限

企業は同質化した社員を用い、社員も同質化したモチベーションを得られたのです。年功序列終身雇用、全社員参加慰安旅行、護送船団方式、そして24時間戦えますか。

今、世界は不透明で分断が進み、日本は少子高齢化、グローバル化、デジタル化、女性活躍、転職当たり前の時代に突入し、停滞、立ち往生し、出口への答えが見いだせません。

主体性のある日本

さて三度目の日本は「楽しい日本」で良いのでしょうか?
何の苦労もなく居心地がよいことを「楽な」といいますが、「楽しい」には全く違う意味があると思います。「楽な」は右下の象限で、「楽しい」は右上の象限です。仕事でも遊びでも、やらされている間は楽しさを得ることはできません。全てにおいて、みずから主体性をもって取り組んだ時に、楽しさは生まれるのです。やりがいや楽しさは、主体的な考え方から導かれます。私は「楽しい日本」を冷ややかには見ず、「主体性のある日本」ととらえたいと思います。

これからは、組織が社員を抱え込むのではなく、主体性のある社員が会社を選ぶ時代。それは、同質的ではなく、主体的である右上の象限でのみ実現可能なことだと思います。

【論語】
これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
(知っていることは、好きなことにかなわず、好きなことは楽しいことにかなわない)