昨年読んだ経営書で、名和高司氏の「シュンペーター」には大いに共感を覚えました。
シュンペーターは、オーストリアの経済学者。今から110年ほど前に創造的破壊を唱え、イノベーションという概念を初めて世に問いました。これは、同じオーストリアの経営学の巨人・ドラッカーの「顧客創造」につながるところがありそうです。
本書は、シュンペーターがもし現代の日本に現れたとしたら、何を思うのか。そして、悩み多き現代の経営者に何をもたらしてくれるだろうか?という想像の旅です。
3つのアウト
著者の名和高司氏によると、シュンペーターがもっとも伝えたいことは、次の3つのアウトだと考えています。
- スケールアウト(規模を大きく本業でやる)
- ズームアウト(長いレンジで俯瞰してみる)
- マーケットアウト(顧客創造型プロダクトアウト)
多長根の視点
ところで、ものごとの本質を知るうえで多・長・根の3つの視点が大切だと考えています。この3つのアウトも多長根という3つの視点で捉えられそうです。
1.多面的な視点でスケールアウトする
創造的破壊は新規事業という小カテゴリーではなく、本業の真ん中で行う。顧客、ブランド、人財、技術などのもてる無形資産を深化、活用し多面的に組み合わせる。
2.長期的な視点でズームアウトする
予測不能な時代では3年後ではなく、大きな時代の流れを眺め、ありたい姿を描いてみる。
3.根本的な視点でマーケットアウトする
本当のイノベーションは顧客に聞いても分からない。需要と供給の新結合。需要を知り自社の強みを創出し、その強みを製品・サービスに込める。(顧客創造型プロダクトアウト)
2024年は当社なりの3つのアウトに取り組みたいと考えています。